LLOYD LOOMとVINCENT SHEPPARD
■LLOYD LOOMの歴史
ロイドルームとは、VINCENT SHEPPARDが現代まで進化と改良を重ね継承してきた伝統的家具製法です。
その歴史は古く、1917年、アメリカ人のマーシャル・バーンズ・ロイド氏は、第一次世界大戦後の不安定な状況の中、それまで家具作りに使用してきたラタンの仕入れが困難な状況となり、代わりにスチールワイヤーにクラフトペーパーを巻き付けた素材を考案します。
彼はこのペーパーコードを独自の織機で編み上げ、その家具製法をロイドルームと名付けました。
この新しい素材は、ラタンより丈夫なだけでなく、より柔らかく、なめらかな曲線を表現するのに最適な素材でした。
さらに、ささくれや割れにより衣服や肌を傷つける心配がなく、画期的な素材として瞬く間にヨーロッパ中に広がりました。
まもなく、ロイドルームの家具はウィンブルドン選手権の貴賓席や豪華客船、あの飛行船ツェッペリン号や当時の最先端事業だった鉄道会社のホテル全館で採用されるなど、時代のステイタスシンボルとなっていったのです。
今なお、当時の家具は多くのインテリア愛好家の間で人気を保ち、ヨーロッパ各地の高級オークションで取り引きされています。
20世紀後期、VINCENT SHEPPARDはロイドルームの伝統と歴史を尊重し、保存することを目的にそのスタイルを継承し、誕生から100年、その魅力を失うことなくロイドルームスタイルというひとつのスタイルを確立するまでに至ったのです。
今日では特殊な防水加工を施したアウトドアファニチャーも開発され、屋内外に関わらずあらゆるシーンでその魅力を発揮し続けています。
ロイドルームを今に伝えるVINCENT SHEPPARDは、世界6大陸50ヶ国以上の国々に家具を輸出し、ロイドルームの世界的マーケットリーダーとなりました。
■LLOYD LOOMの製法
ロイドルームのメイン素材は“紙とスチールワイヤー”です。
芯のスチールワイヤーは防水・防錆加工が施され、クラフトペーパーをしっかり巻き付けて密封加工が施されます。
スチールワイヤーにクラフトペーパーを巻き付けた素材を横糸、クラフトペーパーだけをねじった素材を縦糸とし、ロイド織機でシート状に織り上げていきます。
完成したシートは接着剤に浸され強度を確保し、適切なサイズにカットされます。
その後、熟練した職人がラタンなどのフレームの形状に沿ってシートを手作業で留めていきます。
ロイドルームだからこそ、ラタンで形出されたなめらかな曲線を損なうことなく、美しいフォルムを描く家具を作り出すことができるのです。
ASPLUNDは「VINCENT SHEPPARD」の日本総代理店です。